【体験談】30代薬剤師がキャリアチェンジ|製薬→外資系医療機器で年収100万円UP

30代、製薬企業で薬剤師として働いていた私は、一定の安定と専門性を感じつつも、「このままでいいのか?」という漠然とした不安を抱えていました。
そんな中で出会ったのが“外資系医療機器メーカー”という新たなフィールド。英語力に不安を抱えながらも、キャリアの可能性を広げるべく挑戦した転職体験を、本記事ではリアルにお届けします。
「薬剤師としてキャリアチェンジしたいけど不安…」という方にとって、ヒントになる内容になれば幸いです。
転職を考え始めたきっかけ

製薬企業での仕事に感じたやりがいとモヤモヤ
製薬企業に入社して数年、薬剤師としての専門性を活かしながら医療に貢献できている実感はありました。製品の品質や安全性に関わる責任ある仕事は、確かなやりがいがありましたし、「社会の役に立っている」と思える瞬間も少なくありませんでした。
しかし一方で、ふとした瞬間に立ち止まることもありました。
「この先もずっと同じ業務の繰り返しなのか?」「もっと広い視野で医療に関われるキャリアがあるのでは?」という、漠然としたモヤモヤが心に残るようになったのです。
ルーティンに感じ始めた仕事、組織の中での限られた裁量…。安定はしているけれど、「変化のない毎日」が自分に合っているのか自問するようになりました。
「この先も同じ仕事?」という不安と、キャリアチェンジへの興味
そんなとき、以前から社内で進んでいたグローバルプロジェクトに関わるチャンスがめぐってきました。英語でのメールや打ち合わせに戸惑いながらも、海外のメンバーと一緒に仕事を進める経験は新鮮で、「もっとグローバルに活躍したい」という気持ちが芽生えました。
同時に、日本企業の働き方に対する違和感も大きくなっていきました。年功序列や、上下関係を強く意識した意思決定、評価の曖昧さ…。やりがいがあっても、今後のキャリアパスが見えにくいことが不安材料になっていきました。
そんな中、「外資系企業なら、もっと裁量を持って働けるかもしれない」「キャリアの広がりを実感できるかもしれない」と思い始め、転職を本格的に意識するようになりました。
英語への不安と挑戦のきっかけ
前職でのグローバルプロジェクトが視野を広げた
私が英語を意識するようになったのは、前職の製薬企業で海外ビジネスが立ち上がり、チームの一員として関わることになったのがきっかけです。
それまでは「英語はTOEICの世界」「使える人が担当するもの」と思い込んでいましたが、実際に業務に関わってみると、自分が話す英語よりも、“相手の言っていることを一生懸命理解しようとする姿勢”や、“分かりやすく伝える意識”の方が大切だと気づきました。
グローバル業務に携わるうちに、視野が広がり、自然と「自分も、もっと世界とつながる仕事がしたい」と思うようになっていました。
英会話教室で感じた“自信の芽生え”
英語に本気で向き合おうと思った私は、転職の1年前からビジネス英会話教室に通い始めました。
最初は毎回緊張し、うまく話せずに落ち込むこともありましたが、講師との1対1の対話を続ける中で、「伝わった!」という成功体験が少しずつ増えていきました。
何より、自分の成長を実感できたことで、「苦手」だと思っていた英語が「やればできる」に変わったことが、外資系への転職に挑戦する大きな後押しになりました。
英語力は完璧じゃなくてもいい。「使うことに慣れること」「伝えようとする姿勢」こそが、キャリアの可能性を広げる――それを実感できたのが、転職前のこの1年間でした。
【「英語が不安で転職に踏み出せない…」そんな薬剤師の方へ】
TOEICの目安、英語力が活きる職種、学び直し法までを1本にまとめた実践ガイドをご用意しました。英語を“武器”にしたい方は、ぜひ参考にしてください。
薬剤師×英語完全ガイド|TOEIC・外資転職・学習法を実例で解説
外資系医療機器メーカーへの転職プロセス

30代でのキャリアチェンジ。それも「製薬企業→外資系医療機器メーカー」への転職は、決して王道ではありません。しかし、エージェントのサポートと自らの準備次第で、3ヶ月以内に実現することも可能です。このパートでは、筆者の実体験をもとに転職の流れと注意点を解説します。
転職エージェントの活用と企業選定
製薬業界の中にいると、医療機器業界の求人や文化に触れる機会はほとんどありません。筆者も最初は「どの企業が合っているのかすら分からない」状態でした。
そこで重要になるのが転職エージェントの活用です。医療機器業界に精通したエージェントと出会えたことで、視野が広がり、自分の経験がどう活きるのかを具体的に描けるようになりました。
特に役立ったポイントは以下の3つです:
- 業界・企業カルチャーの違いを事前に教えてくれる
- 自分の強みとマッチするポジションを提示してくれる
- 英文レジュメや面接の準備までトータルサポート
企業選定では、医療機器×グローバル展開という視点で、急成長中かつ自律的に働ける環境を重視しました。
面接・書類・入社までの流れと注意点
筆者が転職活動を始めてから内定承諾までにかかった期間は約3ヶ月。以下のようなスケジュール感でした:
ステージ | 内容 | ポイント |
1週目 | 自己分析・業界研究 | 転職理由を明確に |
2~3週目 | エージェント登録・初回面談 | 企業リストと戦略相談 |
4~5週目 | 書類準備・応募開始 | 職務経歴書にストーリー性を |
6~8週目 | 一次~最終面接 | 英語面接対策も並行して実施 |
9週目 | 内定・条件交渉 | 入社日・給与・業務内容の明確化 |
10~12週目 | 退職準備・入社手続き | 円満退職に向けた事前調整 |
実際の面接では、「なぜ医療機器メーカーに興味を持ったのか?」「どのように社内外と連携できるか?」といった行動ベースの質問が中心でした。
英語面接も一部ありましたが、基本的な自己紹介と業務説明ができれば問題ありません。完璧な語学力よりも、業務への理解と熱意が評価された印象です。
【企業に興味はあるけれど、何から始めればいいか分からない方へ。】
業界・職種の全体像と転職5ステップを、実例とともにわかりやすく解説しました。まずはこちらのガイドで、あなたのキャリアの方向性を整理してみませんか?
転職して変わったこと
年収・働き方・社風の違いに驚き
転職後、最も大きなインパクトを感じたのは「年収」「働き方」「職場の空気」の3つです。前職(日本の製薬企業)では毎日オフィスに出社し、定時後の打ち合わせや飲み会も珍しくありませんでした。仕事にはやりがいがありましたが、心のどこかで「このまま10年後も同じ生活か…」という不安が拭えませんでした。
外資系企業に転職してまず驚いたのは、年収が100万円以上アップしたこと。それに加えて、フレックスタイム制と柔軟なリモートワークの導入により、子どもの急な体調不良時にも対応しやすく、家族との時間も確保できるようになりました。
さらに職場の雰囲気も大きく異なります。上下関係がフラットで、個人の意見を尊重する文化が根付いており、「空気を読む」よりも「意見を伝える」ことが評価されます。こうした文化の違いは最初こそ戸惑いましたが、今では働くうえでの大きな魅力に感じています。
【「やっぱり気になる薬剤師の年収。」】
年収が上がりにくい理由と、転職・昇進・副業という“年収アップの三本柱”を、薬剤師×FPの視点でやさしく解説。将来に向けて収入を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。
「転職してよかった」と思える3つの変化
外資系企業に転職して実感している“良かったこと”を、あらためて整理すると次の3つに集約されます。
- キャリアと収入の両立
頑張りが正当に評価され、年収もキャリアも着実に伸ばせる環境が整っていること。 - 働きやすさの柔軟性
時間の裁量があることで、家庭と仕事を両立しながら自分のペースで力を発揮できる。 - 視野の広がりと成長実感
多様な国籍・価値観の中で働くことで、自分の“当たり前”が覆され、成長を感じられる。
「もっと早く知っていれば…」とすら思うほど、転職は自分にとって前向きなターニングポイントでした。
外資系ならではのメリットと、実際に直面したデメリットについて、リアルな視点で解説しています。併せて読むことで、より具体的な判断材料になるはずです。
30代でキャリアチェンジを考えているあなたへ
30代というタイミングでのキャリアチェンジは、家庭や収入、将来のキャリア設計など、多くの要素を天秤にかけた上での決断になります。特に、これまで病院や薬局でキャリアを築いてきた薬剤師にとって、「企業で働く」という道は未知の世界に感じられるかもしれません。
しかし、実際には30代で企業に転職し、やりがいや年収アップを実現している薬剤師は少なくありません。ここでは、キャリアチェンジに向いている人の傾向と、第一歩としてやるべき“情報収集”と“相談先”を紹介します。
「向いている人・向いていない人」の傾向
向いている人の傾向:
- 変化を楽しめる柔軟性がある人
- 他者との対話や調整が得意な人(社内外の連携が多いため)
- 医療や科学的知識を、社会全体に役立てたいと考えている人
向いていない可能性がある人:
- 「指示通りに動く方が楽」と感じるタイプの人
- 大きな環境変化にストレスを感じやすい人
- 個人主義よりも、年功序列やチームでの空気を大切にする人
※もちろん、「向いていない」と感じても、サポート体制や環境次第でうまく適応している人も多くいます。
【キャリアを広げたい薬剤師のために、代表的な5つのキャリアアップルートを実例つきで解説】
必要なスキルや年収に加え、FP視点で見た「投資効率の良い成長戦略」も紹介しています。将来の選択肢を整理したい方は、まずこちらをチェックしてください。
薬剤師キャリアアップ完全ガイド|5ルート・実例・投資効率まで網羅
最初にやるべき“情報収集”と“相談先”
キャリアチェンジを成功させるには、「まずは行動してみる」ことが大切です。とはいえ、いきなり履歴書を書く必要はありません。次のような“情報収集”から始めてみましょう。
特に転職エージェントは、業界に精通したキャリアアドバイザーが相談に乗ってくれるため、初めての企業転職でも安心です。面談や非公開求人の紹介、履歴書添削、面接練習まで、すべて無料で受けられる点も心強いポイントです。
【「どのエージェントが自分に合うのか分からない」そんな悩みを持つ薬剤師の方へ】
22社を“16項目でスコア化”した比較表から、目的別に最適な3社がすぐに見つかります。迷っている方こそ、一度チェックしてみてください。
薬剤師転職エージェント22社比較|16項目で目的別に最適3社が見える
薬剤師って企業で何するの?分かりにくい職種の違いをサッカーのポジションに例えて解説しています。
自分は外資系企業でやっていける?外資系に向いている・向いていない薬剤師の特徴を紹介しています。
【次の一歩を踏み出すあなたへ】
30代でのキャリアチェンジは、誰にとっても勇気のいる挑戦です。
でも同時に、それは「自分らしい働き方」を見つける大きなチャンスでもあります。
私自身も、製薬企業から外資系医療機器メーカーへの転職を決めるまでに、多くの迷いや不安がありました。
でも情報を集め、信頼できる転職エージェントに相談したことで、未来への選択肢が一気に広がったのを覚えています。
今のあなたが悩んでいるなら、まずは行動してみること。
その一歩が、数か月後の自分を変える“転機”になるかもしれません。
【転職や昇給が難しいと感じたら、副業という選択肢もあります】
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