【実例】30代薬剤師のキャリアチェンジ体験:企業転職で年収100万円UP
30代の薬剤師が直面するキャリアの停滞感、それを打破し年収を向上させるための企業への転職。多くの薬剤師が感じるこの問題に対して、当記事では転職成功事例を紹介し、実績と専門知識に基づいた具体的な戦略を提供する。企業転職によるキャリアアップの実際のメリットと、それを実現するためのステップを明らかにすることで、あなたの転職を成功へと導く。この記事を読むことで、30代での転職がいかに有益か、そのプロセスと可能性を理解し、自身のキャリアを次のレベルへと押し上げるための具体的なアクションプランが手に入る。
はじめまして、筆者のラクダです。以下の経験から企業で働く薬剤師の実態と効果的な転職方法を紹介するためにブログを運営しています。
- 2010年から14年以上企業で働いている薬剤師
- エージェントを利用して就職・転職した経験を持ち、今も5個以上のサイトに登録し、3名以上のエージェントと繋がっている
- 転職によって年収を100万円以上UPした経験がある
30代、未経験業界転職の現実
「30代で未経験の業界や職種への転職は厳しい」と言われている。既に手遅れであると。
- 前職に染まりすぎている
- 30代の求人は即戦力を求めている
- そもそも30代未経験OKは求人が少ない
インターネットを少し調べただけでも【30代未経験転職】の厳しさを伝える数多くの口コミが見つかるほどだ。30代の役割はチームでリーダーシップを発揮することだし、少なくともまっさらな人材として求められることはないはずだ。一般的に30代未経験の転職は難しい事実は否定しがたい事実だ。
30代薬剤師の転職!未経験業界への挑戦
しかし、薬剤師が未経験の業界や職種に転職する場合には当てはまらない。特に臨床薬剤師が企業へ転職する場合、大きなキャリアアップに繋がる可能性がある。なぜなら、臨床経験豊かな薬剤師は企業にとって、得難いスペシャリストだからだ。
- 現場経験を持つ人材が企業転職の場にいない
- ユーザー目線でのアドバイスや改善が期待できる
- 企業内には薬剤師資格が必須のポジションがある
そして薬剤師にとっても企業で働くことのメリットは多い。
- 専門性を正しく評価され、希少性の高い人材として扱われる
- 複数のキャリアパスがあり、自分に合った成長を選べる
- 豊富なトレーニングカリキュラムが豊富から好みのプログラムを、家でも会社でも受講できる
- 土日勤務や夜勤がなく、家族との時間を過ごせる
- 前職の給与を基に交渉するため、年収アップが見込める
企業と薬剤師、双方にとってメリットが多いのが薬剤師の企業転職だ。なぜ薬剤師が企業で働くのか?企業で働くことを選んだ理由やメリット・デメリットはこちらの記事で解説している。
30代、薬剤師の企業転職体験記
わたしは高校卒業後、一浪して薬学部に入学。学生時代の思いでは卒業旅行で行ったオーストラリアだ。大学院時代にはドラッグストアで 2年間薬剤師としてアルバイトし、国内製薬メーカーに入社、その後外資医療機器メーカーへ転職した。ドラッグストアから国内製薬メーカー、国内製薬メーカーから外資医療機器メーカーと 2度のキャリアチェンジを経験している。どちらも良い条件の企業に入ることができたが、就職・転職の方法は異なっている。
- 国内製薬メーカーへの就職: エージェントを利用した紹介
- 外資医療機器メーカーへの転職: 転職サイトを利用した企業からのスカウト
この 2つの活動について、私の体験を紹介する。
30代薬剤師、年収100万円増の実話
就職エージェント活用、製薬業界へ就職成功
はじめにエージェントを利用した就職活動から。
もともと面倒くさがりで自分のことを話すことも企業を調べることも意味を見出せなかったわたしは、書類選考は通るものの面接で落ちまくっていた。いつしか新卒採用の時期は過ぎ、頼ったのがエージェントだった。
エージェントを使った就職活動はとても楽だった。企業の紹介や面接の日程調整・書類提出サポートだけでなく、カウンセリングやアドバイザーなど就職に関する専門の秘書をつけたようなものだ。エージェントのサポートのおかげで、これまで自分ではWikipediaで調べることしかできなかったわたしが四季報や企業のIR情報を調べることを覚え、無事国内製薬メーカーに入社することができた。危うく新卒無職になるところだった。こうして私は、製薬メーカーの品質管理としてキャリアをスタートした。
転職サイト活用!外資で年収100万円UP
次に国内製薬メーカーから外資医療機器メーカーへの転職。
不満の始まりは 1年以上前にさかのぼる。製造ラインの新設プロジェクトのメンバーに選ばれ、今後は海外との連携を進めるからと業務後に週4で指定された英会話学校へ行かせてもらい、また労働者側の代表として経営者と昇給率やボーナスについて話し合う立場になった。これに通常業務と 1歳の育児が重なったので、一度に3品も4品も並行して料理をするような忙しさだったことを覚えている。
そして、製造ライン新設と海外連携の両プロジェクトが中止となった。経営者との協議における回答や業界動向、新製品の開発状況、社内の雰囲気、ついていきたいと思っていた上司のリタイアメント。不安と不満が積み重なり、逃げるように転職サイトに登録した。
転職サイトに申し込んだものの従来の面倒くさがりが発揮され、自ら求人を探し回るようなことはできなかった。エージェントからのスカウトメールを読み、「あぁ、今の年収って名前をよく知られている企業と比べても同程度なんだな」とか「わざわざ転職して慣れない仕事で苦労するほど、わくわくするような求人ってないんだな」と考えていた。探しもしないで、見つかるわけないのだが。
興味のない展覧会に連れてこられたように求人を見る日々の中で、3件だけ惹かれるものがあった。
- 国内医療機器メーカーの品質管理業務
- 国内医療機器メーカーの海外事業サポート部門の立ち上げメンバー
- 外資医療機器メーカーの品質保証業務
同時期に3つの求人が企業から直接届き、「本当に転職する気が自分にあるか、確認する意味でも話を聞こう」。思い立ったその日の夜に妻へ相談し、夜な夜な面接を受けたいと返信した。
結論から言うと、この時の外資医療機器メーカーで今も働いている。国内医療機器メーカーの品質管理は会社の雰囲気が私には合わず辞退し、海外事業サポート部門は英語力と薬事申請の知識が足りなかった。
外資医療機器メーカーでの転職活動は面接が 2回、履歴書提出が 2回あった。
- 1度目の面接は人事担当と求人部門の部門長。
- 2度目の面接は日本法人の社長。
どちらも30分から 1時間程度話し、採用となった。ちなみに 2回目の履歴書は「上司の上司宛に英語で 2日後までに」と言われて焦ったのを覚えている。
結果的に、この外資医療機器メーカーで7年以上働けている。残業代を抜いた年収は、前職から100万円以上アップした。上司から学ぶことは多いし、360度評価では同僚からも一定の評価はされているとわかった。残業は月20時間いくことはほとんどないし、引き継ぎさえすれば有給や半休も自由に取れる。転職することでワークライフバランスが改善した。
わたしの30代未経験からの転職活動は成功だった。
企業で薬剤師が輝くキャリアプラン
一言【企業にで働く薬剤師】といっても、業界や職種はバラエティに富んでいる。ヘルスケア業界に限っても以下の通りだ。
- 製薬業界
- 医療機器業界
- 体外診断用医薬品業界
- CRO業界
- ヘルスケアIT業界
- 化粧品業界
- 動物用医薬品業界
- 原薬業界
この他に食品業界やウェブメディア業界、貿易業界と、薬剤師は幅広い業界で活躍することができる。
企業で活躍する薬剤師のキャリアガイド
薬剤師の働き方も個性豊かだ。
- 研究
- 開発
- 薬事
- 品質管理
- 品質保証
- マーケティング
- 学術
- ビジランス(安全性監視)
製薬業界や医療機器業界で働く薬剤師について、知り合いを想像しただけでも8種類もあった。ウェブライターや金融業界で活躍する薬剤もいる。
薬剤師は薬局や病院だけで輝くのではなく、企業においても専門的で個性豊かな選択肢を数多く持っているのだ。
薬剤師が転職を考える具体的理由
30代は転職を考えたくなるタイミングなのだと思う。20代前半でキャリアをスタートした場合、5年もすれば刺激のない毎日が多くなり、10年もすれば飽きを感じてくるからだ。
総務省統計局から2023年5月12日に労働力調査(詳細集計)2023年1~3月期平均の結果が公表された。この中から転職者についての結果を紹介する。なお、この調査で「転職者」とは、就業者のうち前職のある者で、過去1年間に離職を経験した者、とされている。 就業者6,676万人のうち、転職者は296万人で、前年同期に比べて34万人の増加となった。 転職者を年齢階級別にみると、「25~34歳」が74万人(転職者に占める割合(注)25.0%)と最も多く、次いで「35~44歳」が55万人(同18.6%)、「45~54歳」が52万人(同17.6%)などとなっている(図1)。
独立行政法人労働政策研究・研修機構によると、25〜34歳の転職者がもっとも多い。私の友人でも同様で、配置転換などで合わない職種へ移動した場合や1人薬剤師で苦労した場合には早く、そうでない場合は遅い傾向がある。
30代は仕事や生き方を考え直す良いタイミングだ。
不満から脱却、薬剤師の転職のリアル
30代の薬剤師が転職を検討する主な理由は職場への不満だろう。私の場合は以下の理由だった。
- 毎日の業務に変化がなく、成長が感じられなくなった
- グチが多い職場の人間関係に疲れ、離れたくなった
- 毎日2時間以上の残業が続き、子どもと触れ合う時間が少なくなった
- 新製品の少ない中小企業に就職したことに後悔していた
- 業績悪化に伴い昇給率が下がり、収入が少なくなる不安を強く感じた
職場への不安と不満が強くなり、将来的に解消される見込みもない。「英語を学んだのだから海外を感じる職場で働きたい!」という前向きな気持ちもあったが、ネガティブな気持ちが大半だった。
転職を考えるきっかけは【今の環境から逃げたい】。それだけでじゅうぶんだ。
30代薬剤師のための転職戦略
環境に流されるように働き30代になった薬剤師に強みはあるのか?
ある。
認定資格や特別な経験は必要ない。【薬剤師資格×30代までの経験】がすでに、今の環境以外ではスペシャルなものだからだ。
「ほんとう?」
そう思った方は、一度転職サイトに登録して確かめて欲しい。
転職成功!サイト&エージェント活用法
以下の理由で、複数の転職サイトや転職エージェントに登録・コンタクトをとっている。
- どのような業界で自身が求められているか確認するため(キャリアチェンジ)
- どのようなポジションにチャレンジできるか確認するため(キャリアアップ)
- どのサイトやエージェントから転職するのがベストかを確認するため(サポーター探し)
薬剤師を求める企業の求人は少なくはないが、それでも薬局やドラッグストアに比べるとレア。1サイトやエージェントだけでは情報に偏りが生じたりや希望が叶えられない可能性があるため、最低3社は登録した方がいい。
組み合わせは以下の通り。
- 一般の転職サイト・エージェント
- 薬剤師専門の転職エージェント
- 希望に特化した転職エージェント
登録しているサイトを調べた限りだが、一般の転職サイト・エージェントと薬剤師専門の転職エージェントのどちらでも企業薬剤師の求人は100件以上あった。しかし、違いはたくさんある。
一般の転職エージェント | 薬剤師専門の転職エージェント | |
---|---|---|
エージェントのタイプ | あらゆる業界や職種に対応しており、広範な選択肢を提供 | 薬剤師専門の求人に特化し、業界の専門知識が豊富 |
サポート内容 | 履歴書・職務経歴書の作成支援、面接対策、キャリアアドバイスなど一般的なサポート | 左記に加え、薬剤師としてのキャリアパスを考慮した専門的なアドバイス、薬局・病院・企業の詳細な情報提供 |
求人の種類と量 | 多様な業界からの求人が多いが、薬剤師専門の求人は限定的 | 薬剤師に特化した求人が豊富で、非公開求人も多い |
ネットワークと情報提供 | 広範な業界ネットワークを持つが、専門的な情報は限られる | 薬剤師業界の深いネットワークと、薬学関連の情報が豊富 |
対象とする地域 | 全国各地の求人を幅広くカバー | 地域によっては特定の地域の求人に特化することもある |
利用者の評価とフィードバック | 多くの職種に対応しているため、利用者の評価が分散 | 薬剤師としての専門性に基づいた評価が多く、具体的なフィードバックが得られる |
加えて、あなたの希望に特化した転職エージェントへの登録もすすめたい。外資系企業で働きたい場合には外資転職専門、高収入を目指すならハイクラス専門といったかんじだ。ここは今の自分にあった求人を探すとともに、これからのキャリアパスを考えるうえで必要な能力を知るためにも使える。
私の場合、転職にエージェントから推されたが力不足を理由に断った年収1,500万円のポジションに、10年後につくことを目指している。そのために日々の業務に加えて問題解決力やマネジメント力、そして英会話を伸ばすことにした。
あなたが「病院や薬局での仕事自体は好き!だけど現状には不満」という場合には、希望に特化したエージェントの枠に薬剤師専門で病院や薬局に強みを持つエージェントを入れるのをおすすめする。あなたに合う仕事は企業か臨床か、改めて考えるきっかけになるからだ。
この考え方は外資で働き出してから始めた。キャリアを上げるために転職することが当たり前の世界なので、転職先を探しながら働き続けることに違和感がなくなった。トップやマネージャーが変わると会社の雰囲気やルールが変わるため、自分にあっていた会社があわない会社に変わるリスクも高い。変わってから動くのではなく、変わることを前提に動く。30代で転職した経験をもつ、今だからの戦略だ。
30代薬剤師が転職エージェントを選ぶ理由
再度転職をする場合、転職エージェントを活用する。
- 求人を探す時間が無いため、希望だけ伝えて探すのは任せたい
- 会社の雰囲気や条件などを調査する時間が無いため、資料をまとめて欲しい
- 自身の市場価値を確認し、もっとも高く評価してくれる企業へ転職したい
- 年収を含め、条件交渉は第三者に任せたい
- 転職後に条件と異なる場合にはアフターフォローをしてもらいたい
転職サイトから自身で申し込んだ場合には受けられないサービスを、転職エージェントでは無料で受けられる。加えて、転職サイトに申し込んだ場合でも転職エージェントからの求人メールが大量に届くため、初めから転職エージェントを利用する方が効率的だ。
30代は自分だけのために使える時間が少ない。頼れるところは頼り、外注できるところは外注するようにしたい。
転職前の準備!新業界へのステップ
転職エージェントに登録することと並行して行うのが【自己PR探し】だ。
私は自己PRを自身を営業することだと考えている。そこで、マーケティングの考え方である【3つのNOT】を参考に自己PRを考えるようにした。
- 見ない
- 信じない
- 行動しない
採用活動は企業側も人件費や求人費をかけているので、3つのNOTがターゲットとしている消費者よりは見るし、行動もする。しかし、費用をかけて採用した人材の早期退職は自身の評価低下につながるし、そもそも採用するだけの理由が必要である。自己PRを考える際には、企業が採用する理由を考えやすいかを軸にする。
- 見ない→自身の強みが求人にマッチしていることをアピールする
- 信じない→自身の弱みを伝え、弱みを理解して事故が起こらないように対策していることをアピールする
- 行動しない→強みを活かした実績を伝え、一緒に働いた後をイメージさせる
あなたにとってはその日1回の面談だとしても、相手にとってはその日2回目で1時間後にはもう1人の面談予定が入っているかもしれない。あなたは彼らから採用を勝ち取る必要がある。
即効!自己PRの強み弱み攻略法
強み・弱みを理解するため、以下のツールを利用した。
- 自身で考える・家族に聞く(無料・登録不要)
- 16 Personalities(無料・登録不要)
- グッドポイント診断(無料・リクナビNEXTに登録)
- ジョブリシャス診断(無料・マイナビ転職に登録)
- シゴト観診断(無料・ビズリーチに登録)
- キャリアタイプ診断(無料・dodaに登録)
- マインドマップで整理(無料・Mind Meisterを使用)
参考に私の作った自己分析を紹介する。
自己分析にはSWOT分析というマーケティング手法を利用した。5種類の自己分析ツールの結果から特徴的なキーワードを抽出し、2個以上あるものに枠をつけている。異なる分析ツールの結果で類似した項目があれば、その項目が自分の強み・弱みの中でも正確性の高いポイントといえる。SWOT分析を利用した自己PRの見つけ方の詳細はこちらで解説した。
注意点は以下の通り。
- 診断には15〜30分程度かかるので、時間に余裕がある時に実施
- 登録後にカスタマーサポートから電話があり、キャリアアドバイザー面談を勧められる
- 転職サイト側の立場も理解する
1と2は書いた通りなので、3について補足する。
診断ツールは便利な反面、転職にサイトに登録が必須だったり電話がかかってきたりと面倒な面も数多くある。加齢により繊細さのなくなった私も根が内向的かつ面倒臭がりなので上記は苦手だ。自己分析ツールは転職サイトのフロントエンド(集客用のサービス)であり、バックエンド(収益用のサービス)に繋げるためのものだ。電話や面談も積極的に活用するくらいの気持ちで利用しよう。
企業転職・薬剤師に英語は不要!
薬剤師の求人の中で英語力が必須であることは少ない。企業にとって薬剤師を求める最大の理由は法定要件への適合や薬事申請時などの規制当局への対応のためだからだ。
- 総括販売責任者
- 製造管理者
- 毒物劇物管理責任者
総括販売責任者と製造管理者は薬剤師資格が資格要件になっている多くのヘルスケア業界で必須のポジションだ。毒物劇物管理責任者は薬剤師資格は必須ではないが、薬剤師が兼務している場合が多い。このように、薬剤師資格が求められるポジションだけを見ると英語は必須ではない。
英語がキャリアUPの鍵
しかし、企業で働く薬剤師にとって英語力は価値がないかというと違う。むしろ最大の武器になる。
新卒で働いていた国内製薬メーカーでも英語は使う場面が多かった。
- 技術会議での論文発表
- 日本薬局方と海外規制とのギャップ調査
- 海外の原薬・資材・販売提携企業への連絡
現職の外資医療機器メーカーでは社内文書やトレーニングマテリアルは英語で作成されているし、本社や製造所の担当者とのやりとりはメールにせよチャットにせよ会議にせよ英語だ。上司の上司はアジアを統括している外国人なので、英語なしでこれ以上のキャリアアップは望めない状況にある。CFOは本社から来た外国人なので、軍手を買うための申請書すら英語である。
企業でキャリアアップするために英語は武器であり、生活必需品だ。英語を勉強しなくては‥‥‥。
30代、転職前に退職すべき?
前述した通り、私が退職を決めた理由は以下の通りだ。
- 毎日の業務に変化がなく、成長が感じられなくなった
- グチが多い職場の人間関係に疲れ、離れたくなった
- 毎日2時間以上の残業が続き、子どもと触れ合う時間が少なくなった
- 新製品の少ない中小企業に就職したことに後悔していた
- 業績悪化に伴い昇給率が下がり、収入が少なくなる不安を強く感じた
働きながら転職に活動をした。面接のある日はビジネスカジュアルな服装で会社へ行き、定時退社後にそのまま面接へ行く生活だった。退職を決意する前の転職活動だったため、働き続けることとした時に働きにくくなるリスクを避けるためだ。面談では「まだ転職を決意していないので、職場にバレるわけにはいかないので」と正直に伝えていた。
6月に内定をもらい、7月末まで働き続けた。8月いっぱいは有休消化で休み、9月から現職に入社としてもらった。1歳の娘と一日中遊べる、最高の1ヶ月だったことを覚えている。
退職は内定が出たからにするべきだ。
円滑な退職のための5ステップ
退職のプロセスは以下の通り。
- 上司に退職したい旨を相談
- 退職希望日を提示
- 退職願の提出
- 業務の引き継ぎ
- 荷物の整理
2と3の間に引き留めが3〜4回ほどあったが、「グローバルな環境で仕事がしたい」と伝えて応じなかった。退職する方法は自身で伝えるか、退職代行に依頼するかの2択だ。同じ業界で働くなら自身で伝える方が良い。業界活動など世間は狭いからだ。しかし、プロセスの1を3日間伝えられなかった時は退職代行を検討しよう。あなたの時間は安くはない。退職を伝えられずに内定辞退となっては、せっかくの頑張りが無駄になってしまう。
次なるステップへ!キャリアチェンジ
転職時に惹かれた求人を振り返ると、わたしは現状を変えたかったのだと思う。【国内】の【製薬メーカー】の【品質管理】から遠いものばかりだからだ。
- 国内医療機器メーカーの品質管理業務
- 国内医療機器メーカーの海外事業サポート部門の立ち上げメンバー
- 外資医療機器メーカーの品質保証業務
キャリアアップだけでなく、キャリアチェンジがしたかった。これはこの記事を書くためにキャリアを振り返って気がついたことだ。
キャリアを振り返る作業は天体観測に似ている。
【就職・転職・希望】
【過去・現在・未来】
星と星を繋ぎ合わせて絵を完成させるため、望遠鏡を覗き込んで輝きを探すからだ。
思い立って星座の一覧を眺めてみると、ちょうどいい正座があった。それは白鳥座。頭にある星がアルビオレ、体の中心がサドル、そこから3つに分かれ、もっとも輝くのがデネブ。
今あなたはサドルにいる。アルビオレからキャリアを始め人生の分岐点にたどり着いた。どこに転職するか、それともしないのか。どの道がデネブに通じているかは、天体観測をしなければわからない。輝くデネブへ向かうために、第三者から望遠鏡で見てもらうことが重要だと思う。
これで安心!転職成功チェックリスト
最後に転職を成功させるためのチェックリストを載せて終わる。
- 自己分析を行う(自分の強み、弱み、価値観、キャリアで実現したいことを明確にする。過去の職務経験から得たスキルと経験をリストアップする。)
- 市場調査を行う(希望する業界の現状と将来性を調査する。ターゲットとする会社の文化、事業内容、業績を把握する。)
- 履歴書・職務経歴書の更新(最新の情報に更新し、職務経験を具体的かつ成果重視で記述する。応募する業界や会社に合わせてカスタマイズする。)
- 求人情報の収集と選定(複数の求人情報源を活用し、希望に合った求人をピックアップする。求人要件と自身のスキルがマッチするか徹底的に検討する。)
- 応募準備(カバーレターを含めた応募資料を丁寧に準備する。応募先企業のカルチャーやニュースを事前に調査しておく。)
- 面接対策(面接で聞かれそうな質問の予測と模範解答の準備をする。ビジネスマナーやドレスコードを確認する。)
- 面接実施(自己PR、経験の詳細説明、キャリアプランの説明ができるように準備する。面接官に質問を用意しておく)
- フォローアップ(面接後はお礼のメールを送る。応募状況のフォローアップを適宜行う。)
- オファー評価と交渉(受け取ったオファーの条件を詳細に評価する。必要に応じて条件交渉を行う。)
- 退職手続きの準備(現職の退職手続きに必要な情報を把握し、円滑な移行を計画する。関係者に適切に引継ぎを行う。)
チェックリストにしてみると膨大だ。応募準備や面接対策のために調査する時間を確保するのが難しい。フォローアップは忘れそうだし、アグレッシブな条件交渉もハードルが高い。
これらの面倒ごとを無料で引き受けてくれる転職エージェントは、30代の転職には使うべきサービスだ。