薬剤師×IT英語|医療ITで使える実践表現と学び方

「ITや英語、苦手なんです…」
そう感じる薬剤師の方は多いかもしれません。でも、医療とテクノロジーが融合する今、“ちょっとした英語力”があなたのキャリアを大きく広げる武器になります。
本記事では、薬剤師が実務で使える医療IT英語の例と、無理なく学べる方法を紹介します。「英語を話す仕事」ではなく、「英語を“使えるようになる”仕事」への第一歩としてお読みください。
なぜ薬剤師に“IT英語”が求められるのか?
医療×テクノロジーの融合とグローバル化
「医療はローカル、でもテクノロジーはグローバル」──。この矛盾が、今の薬剤師にとって大きな転機となっています。
近年、**製薬・CRO・医療IT・ヘルステック企業などでは、日常的に“英語を介したやりとり”**が必要とされる場面が増えています。
たとえば、海外ベースのAIアルゴリズムを活用した医療アプリや、RWD(リアルワールドデータ)を用いた多国籍解析など、英語のドキュメント・会議資料が標準となるケースも珍しくありません。
これまでの薬剤師像とは異なるかもしれませんが、**「グローバルな文脈で薬学知識を活かす」**ための言語リテラシーが求められているのです。
翻訳・確認・コミュニケーションの場面で求められる英語力
実際に必要とされるのは、難解な英会話力ではありません。
むしろ、
- 海外仕様書の読み取りとチェック
- メールやチャットでの簡潔なやりとり
- 会議での要点確認・報告
など、**実務の中で求められる「伝わる英語」「確認できる英語」**です。
とくに、医療用語やIT用語が混在するハイブリッド領域では、「英語に慣れている」ことがそのまま即戦力に直結します。
現場で英語を「翻訳対象」ではなく「情報インフラ」として扱える人材は、それだけで重宝されるのです。
▶関連記事:薬剤師×AI・ITのキャリア完全ガイド|未経験からの転職・スキル・年収まで解説
医療ITで使われる英語表現とは?
開発職・翻訳職で使うキーワード例(例:compliance, algorithm)
「IT英語=専門的で難解」──そんなイメージがあるかもしれません。
でも、実際に医療IT現場で頻出する英単語は、“日常業務の言語化”にすぎないことも多いのです。
たとえば開発や監修に関わる薬剤師が遭遇する単語には、以下のようなものがあります:
- compliance(遵守・服薬遵守)
- algorithm(アルゴリズム:処理の流れや判定基準)
- endpoint(評価項目)
- labeling(表示/添付文書)
- validation(妥当性確認)
これらは、技術だけでなく“薬学的判断”を支える語彙でもあり、医療×ITという複合領域では不可欠な表現です。
「専門職だからこそ分かる英語」は、むしろ薬剤師の強みになり得ます。
レポート・ミーティング・ツールでの実例表現
一方で、実務の現場では「話す」「書く」といったやりとりの英語力も求められます。
Zoomミーティングやチャットツール、レポート作成で使われる実用的な表現の例は以下のとおりです:
- Let me confirm the indication for this app.(このアプリの適応症を確認させてください)
- Could you share the latest version of the protocol?(プロトコルの最新版を共有していただけますか?)
- Needs alignment with the regulatory team.(薬事チームとの整合が必要です)
- No concerns from a safety perspective.(安全性の観点から問題はありません)
こうした表現は、“完璧な英語”ではなく、“業務が円滑に進む英語”。
「薬剤師としての判断を言語化できる」ことが重要な力になるのです。
▶関連記事:外資系薬剤師が直面する文化ギャップ|日系との違いと乗り越え方を解説
おすすめの学習方法とツール
ChatGPTでできるIT英語トレーニング法
「英語の勉強=時間もお金もかかる」と感じていませんか?
でも実は、今すぐ・無料で・自分の業務に沿った英語学習ができる方法があります。
それが、ChatGPTを活用したトレーニングです。
たとえば以下のような使い方が可能です:
- 実務英文の添削依頼:
「以下のメール文を、丁寧なビジネス英語に言い換えてください」
→ 調剤報告や問い合わせメールの英語化に便利です。 - Zoom会議の想定ロールプレイ:
「外資系企業の薬剤師として、医療アプリのプロジェクト進行について英語で会話してください」
→ フレーズの習得だけでなく、やりとりのテンポ感まで体感できます。 - 頻出キーワードの翻訳+文脈学習:
「‘compliance’ ‘endpoint’ ‘validation’を医療ITの文脈で使った例文を出してください」
ChatGPTは「英語を勉強する」のではなく、“薬剤師としての英語力を育てる”ツール。
苦手意識がある方ほど、使ってみると意外な突破口になるかもしれません。
医療IT英語が学べるオンライン教材・書籍紹介
「まずは単語を整理したい」「自分のペースで基礎を押さえたい」という方には、医療×ITに特化した教材も有効です。
おすすめは以下のとおりです:
- 『医療IT英語ハンドブック』(南江堂)
→ EMR、レセプト、CDISCなど、医療IT特有の用語がコンパクトにまとまった一冊。 - 『英語で学ぶメディカルテクノロジー』(医学書院)
→ デバイス・ヘルステック系にも興味がある方向け。図解豊富で初学者にも◎。 - Progate/SHElikes/DMM英会話(医療英語コース)などのオンライン講座
→ 医療IT企業の志望者にとって、英語とITを同時に学べる場は貴重です。
学習は“完璧な英語”を目指すよりも、**「薬剤師の視点で伝えられる英語」**に近づくことがゴールです。
資格取得よりも、「日々の業務にどう生かせるか」という軸で選んでみてください。
▶関連記事:外資系企業の英語面接対策|薬剤師向けよくある質問と答え方
英語力を“見せる”ための資格・アピール術
TOEIC/G検定など、書類で使える資格
英語力を証明する際、「実務では使っているけど点数がない」「逆に点数はあるけど業務では使えてない」──そんなギャップを感じたことはありませんか?
実は、**“書類で評価されやすい英語系資格”**は存在します。
たとえば:
- TOEIC(Listening & Reading)
→ IT・外資系企業では、600点以上が一つの目安になることも。英文マニュアルの読解力をアピールしやすくなります。 - G検定(ジェネラリスト向けAI検定)
→ 英語問題も含まれるため、「AI×英語」の素養を示せます。**“医療AI領域を志望している”**ことの説得力にも。 - 英検準1級〜1級/IELTS/TOEFL
→ 海外との接点が多いポジションや、文献読解・資料作成が主業務の職種で評価されやすいです。
資格はあくまで「入口」にすぎませんが、**“この人は英語を避けてこなかった”**という印象を与えるのに十分です。
職務経歴書・面接での活かし方
資格を取得しただけでは、相手には伝わりません。大事なのは、「業務でどう使っているか」「今後どう活かすか」を語れることです。
たとえば、こんなアピールが効果的です:
- 職務経歴書での書き方例
→「レセプトシステム導入時、英文マニュアルを読み解き国内対応策を提案」
→「G検定合格後、AI薬剤設計領域の基礎知識を身につけ、英語論文を読む習慣を継続中」 - 面接での一言アピール
→「現職では使う機会が少ないため、ChatGPTで“医療会議ロールプレイ”を英語で練習しています」
→「TOEIC650点ですが、実務では主に英文仕様書・手順書の読解に強みがあります」
つまり、“資格×行動”の掛け算が評価を左右します。
自分のレベルを卑下せず、「使えるようになろうとしている姿勢」「実際に活用しているシーン」を言語化することが、“選ばれる薬剤師”の第一歩になります。
▶関連記事:薬剤師におすすめのIT資格とデータ分析スキル10選|キャリア直結の学びとは?
おわりに
医療IT職で英語を「味方」にするために
英語が“ペラペラ”である必要は、まったくありません。
今、薬剤師に求められているのは――**「伝わる単語」と「使えるフレーズ」**です。
たとえばこんな英語でも、十分プロフェッショナル:
- 「This data needs to be reviewed again.(このデータは再確認が必要です)」
- 「Let’s align our understanding before submission.(提出前に認識を合わせましょう)」
あなたの薬学知識と言葉を“つなげる力”こそが、IT・医療現場の未来を変えていきます。
私たちは“通訳”ではなく、“橋渡し役”。
もし今、「英語がネックで一歩踏み出せない」と感じているなら、
**その不安ごと受け止めてくれる“専門職向けの転職エージェント”**に、まずは話を聞いてみませんか?
英語力は、磨けます。
でも、「あなたが活かせる環境」は、今すぐ探せます。
▶【無料】薬剤師向け|英語が活かせる医療IT職の求人を見る