未経験から学術職へ転職できる?薬剤師が製薬企業の“裏方”で活躍する方法とは

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筆者プロフィール|ラクダ(外資系薬剤師 × FP)

「このままでいいのかな」と悩んだ末に転職した薬剤師、ラクダです。

製薬・医療機器・ドラッグストアの3業界を経験し、現在は外資系企業で8年以上勤務。

転職で年収100万円以上UP、家庭と両立しながら柔軟な働き方を実現しました。

同じようにキャリアに迷う薬剤師の方に、リアルな体験や情報をお届けしています。

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「患者対応に追われる日々から一歩引いて、専門知識を活かした業務に就きたい」と考える薬剤師の方へ。製薬企業の学術職は、そんなあなたにぴったりのキャリアパスかもしれません。未経験からでも挑戦可能な学術職への転職方法や、求められるスキル、実際の成功事例を詳しく解説します。

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学術職とは?薬剤師が担う役割と魅力

「患者対応は好きだけど、体力的にも精神的にも続けられるか不安…」

「薬の知識をもっと深めて、現場を支えるような仕事がしたい」

そんな薬剤師の方に選ばれているキャリアのひとつが、**製薬企業の“学術職”**です。

学術職は、いわば医薬品に関する“情報のプロフェッショナル”。製薬会社と医療現場をつなぐ**“知識のハブ”**として、薬の安全な使用をサポートする重要な役割を担います。

学術職の主な業務内容

学術職は、製薬会社の中でも「販売促進ではなく、正しい医薬品情報を届ける」ことをミッションとしています。以下のような業務を日常的に行います。

1. 医薬品情報の収集・整理

  • 最新の論文、学会資料、製品情報などを収集
  • ガイドラインや添付文書の改訂対応

2. 医療従事者・社内向けの情報提供

  • MR(営業担当)や医師からの問い合わせ対応(DI業務)
  • FAQの整備や回答の根拠提示、情報の裏どり

3. 情報資材・教育資料の作成

  • 添付文書や製品パンフレット、FAQ資料の作成
  • MR向け研修用のスライドや教育コンテンツの企画

4. 医薬品の適正使用推進

  • 適応外使用の確認・注意喚起
  • 有害事象報告との連携(PV部門との協働あり)

つまり学術職は、薬に関する“正確な情報”を守る番人のような存在であり、営業職や医師の“相談窓口”でもあります。

学術職の魅力とやりがい

1. 専門知識を活かせる環境

薬剤師としての学術的知識が直接役立つだけでなく、学び続ける姿勢が高く評価される職種です。医師やMRからの専門的な質問に対応する中で、自分の知識が現場に貢献している実感が持てます。

2. 患者対応や売上ノルマがない

直接患者さんと接することはほとんどなく、対人ストレスや業績プレッシャーが少ないのも魅力のひとつです。「裏方として医療に貢献したい」という方には非常に向いています。

3. ワークライフバランスが良い

MRや外勤職とは異なり、在宅勤務・時短勤務・フレックス制度を導入している企業も多く、働き方の柔軟性が高いのが特徴です。特に女性薬剤師の転職先として人気が高い理由のひとつになっています。

4. キャリアの幅が広がる

学術職からは、以下のようなキャリア展開も可能です:

  • PV(安全性情報)
  • メディカルアフェアーズ(MA)
  • 薬事(RA)や教育・研修部門
    つまり、企業内での“ディフェンス系キャリア”の入り口にもなるポジションです。

関連記事:

→ 薬剤師のための学術職ガイド

未経験から学術職へ転職するために必要なスキルと経験

学術職は専門的で知的な印象が強く、「自分のような現場経験しかない薬剤師にできるのか…」と不安を感じる方も多いはずです。しかし実際は、業界未経験からのチャレンジも十分に可能。製薬企業が求めるのは「完璧なスキル」よりも、学ぶ意欲と基本的なビジネススキルです。

ここでは、未経験から学術職を目指す薬剤師が身につけておきたいスキルと、英語対応力の対策について解説します。

求められるスキルセット

学術職に転職するために必要なスキルは、以下のようなものです。いずれも薬剤師の経験を土台にしやすく、日常の中で少しずつ身につけていけるスキルです。

1. 情報収集・分析能力

  • 文献やガイドライン、医薬品情報などを正確に読み取り、要点を整理する力。
  • 添付文書改訂やFAQ作成時など、現場の“根拠となる情報”を提示できる能力が重視されます。

2. コミュニケーション能力

  • 医療従事者や社内のMR、他部署とのやり取りが多く、**「難しい情報をわかりやすく伝える力」**が必要です。
  • DI業務では電話・メール・チャットでの対応も多く、ロジカルな説明力や丁寧な対応スキルが評価されます。

3. PCスキル(Office系)

  • Word・Excel・PowerPointは基本。
    • Excel:簡単な関数・並べ替え・フィルター・グラフ作成
    • PowerPoint:社内資料やスライド作成の基礎スキル

4. 医療・薬学知識のアップデート力

  • 製品情報だけでなく、治療ガイドラインや最新のエビデンスにアンテナを張れるかが評価されます。

英語力の重要性と対策方法

学術職は基本的に日本語中心の業務ですが、企業や製品によっては英語文献の読解が日常業務の一部となることもあります。特に以下のような場面では、一定の英語力があると選考や実務で有利になります。

英語が求められる場面:

  • 海外製品の情報収集(添付文書、治験結果、論文)
  • グローバル本社とのメール対応や資料翻訳
  • 英語論文をもとに資料作成や社内問い合わせ対応

TOEICスコアの目安:

内容TOEICスコアの目安
英語論文の要点を読み取る600〜700点以上
英語メールの作成・読解700〜750点以上
外資系・グローバル部門との協業800点以上が理想

対策方法:

  • インプット強化
    • 『English Grammar in Use』で文法の土台を固める
    • 医薬英語の多読(PubMed、Medscapeなど)
  • アウトプット練習
    • DMM英会話で医療英語の瞬発力を鍛える
    • Camblyでネイティブ講師との面接模擬練習
    • スタディサプリTOEIC®対策で短期間でのスコアアップも狙える

関連記事:

→ 薬剤師のための英語学習法

英語に対する苦手意識がある方も、「全部できるようにならなければ採用されない」というわけではありません。大切なのは、「どれだけ学ぶ準備ができているか」「どこまで理解できているかを面接で示せるか」です。

次のセクションでは、実際に学術職求人をどう探すか、転職サイトとエージェントの活用法を解説していきます。未経験者歓迎の求人を見逃さないためのコツを知りたい方は、ぜひ読み進めてください。

未経験者歓迎の学術職求人の探し方

未経験から学術職への転職を目指すなら、**「求人との出会い方」**が何よりも重要です。

学術職は人気が高く、しかも「未経験可」と明記されている案件はごく一部。

そのため、検索方法を工夫することと、適切なサポートを得ることが、転職成功へのカギとなります。

ここでは、未経験でも学術職求人に出会うための現実的な探し方を紹介します。

求人サイトの活用方法

まず、気軽に情報収集を始めたいなら、求人サイトの活用が第一歩です。

ただし、求人サイトを“なんとなく眺めるだけ”では、未経験可の学術職はなかなか見つかりません。

【具体的なコツ】

  1. キーワード設定を工夫する
    • 「学術職」だけでなく、「DI業務」「医薬品情報担当」など、広めのキーワードで検索
    • 「未経験可」「研修制度あり」といった条件でフィルターをかける
  2. 複数のサイトを横断してチェック
    • doda、リクナビNEXT、マイナビ薬剤師、日経メディカルキャリアなど、それぞれに掲載案件が異なります。
  3. 応募前に「募集背景」や「未経験者実績」を確認
    • 「新製品発売に伴う増員」などの案件は、未経験者にチャンスが広がる場合が多いです。

ただし、求人サイトに掲載されている情報は、どうしても**「表面的な情報」**にとどまるため、次のステップも同時に進めるのがおすすめです。

転職エージェントの選び方

学術職への転職を本気で目指すなら、転職エージェントのサポートを受けるべきです。

特に未経験転職の場合は、以下のようなメリットがあります。

【転職エージェントを使うべき理由】

  • 非公開求人(=一般サイトに出ない案件)を紹介してもらえる
  • 未経験者OKの学術職求人を厳選して提案してもらえる
  • 応募書類(履歴書・職務経歴書)の添削サポートを受けられる
  • 面接でよく聞かれる質問や回答例を事前に教えてもらえる

特におすすめなのは、薬剤師専門のエージェントです。

薬剤師資格を持つ求職者ならではの強みや、企業側が求める期待値を理解しているため、よりマッチする求人に出会いやすくなります。

【おすすめエージェント例】

エージェント名特徴
マイナビ薬剤師製薬企業の学術職・DI職の取り扱い多数。面接対策が手厚い。
リクルートエージェント医療業界向けの企業求人も豊富。外資系にも強い。
アポプラスキャリア薬剤師特化。学術職や治験関連求人に強み。

未経験からでも**「この人なら育てたい」と思わせる応募書類・面接対策**を支援してくれるため、利用しない手はありません。

関連記事:

→ 薬剤師向け転職エージェント比較

学術職は「出会える求人」と「準備の質」が転職成功を左右します。

次のセクションでは、実際に未経験から学術職に転職した薬剤師のリアルな体験談を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

未経験から学術職に転職した薬剤師の体験談

「調剤の仕事は嫌いじゃない。でも、もっと専門知識を深めて、別の形で医療に貢献できないだろうか。」

そんな想いから、学術職への転職を目指す薬剤師は少なくありません。

実際に未経験から学術職へ転職した薬剤師たちの体験談からは、成功のポイントと、転職後に開かれるキャリアの可能性が見えてきます。

転職成功のポイント

30代前半・調剤薬局勤務のBさんは、薬剤師歴7年目にして学術職への転職を決意しました。

彼女が転職成功を勝ち取るために意識したのは、以下の3点です。

【1. 志望動機の明確化】

  • 面接では必ず「なぜ臨床を離れて学術職を志望するのか」が問われます。
  • Bさんは、「患者さん個別ではなく、医薬品情報全体を通して医療を支えたい」という軸を明確にし、一貫したメッセージを伝えることで、未経験でも熱意を評価されました。

【2. スキルの棚卸し】

  • 調剤経験から得た「医薬品の取り扱い知識」「患者説明の経験」を、“情報をわかりやすく伝える力”としてアピール。
  • PCスキルも見直し、Word・Excel・PowerPointを自己学習でブラッシュアップしてから応募に臨みました。

【3. エージェントの活用】

  • 一般公開されていない未経験者歓迎の学術求人を紹介してもらえたことが、転職成功の大きな要因。
  • 履歴書・職務経歴書も添削してもらい、学術職向けに伝えるべきポイントを押さえることができました。

結果、Bさんは**国内大手製薬会社の学術部門(DI業務担当)**に内定。

未経験ながらも、「ポテンシャルを感じた」という理由で採用されました。

転職後のキャリアパス

学術職に転職して1年。Bさんは、こんな風に語っています。

「製薬企業に入ってみてわかったのは、学術の仕事は本当に“縁の下の力持ち”だということ。

MRからの問い合わせに答えたり、新薬情報をまとめたり。目立たないけど、現場を支えている実感があります。」

学術職で経験を積むことで、Bさんには次のようなキャリアの広がりも見えてきました。

学術職からのキャリアアップ例

キャリアパス業務内容
シニア学術担当後輩育成、研修資料作成、医師向け情報発信など
PV(安全性情報部門)有害事象情報の評価・報告業務
メディカルアフェアーズ(MA)製品戦略立案、リアルワールドデータ活用
教育・研修担当社内MR教育、適正使用推進プログラム開発

学術職は「入ったら終わり」ではなく、知識と経験を積み上げることで次のステップへ進めるキャリアです。

Bさんも、将来的にはPV部門やメディカルアフェアーズへの異動を視野に、学びを続けています。

関連記事:

→ 薬剤師のキャリアアップ事例集

未経験からでも、しっかりと準備し、自分の強みを理解して伝えることができれば、学術職の扉は必ず開きます。

あなたの「次のキャリア」は、想像以上に広がっているかもしれません。

あなたの「学び続ける力」は、必ず武器になる。

未経験からでも、薬剤師として培った知識と探究心があれば、学術職への扉は開かれます。

ただし、学術職は人気職種。チャンスを確実につかむためには、最適な求人と、適切なサポートを得ることが欠かせません。

特に未経験転職では、

  • 「どの求人が自分に合っているか」
  • 「企業側がどこを重視しているか」
  • 「応募書類でどうアピールすればいいか」

をプロの視点からサポートしてもらうことが、成功への最短ルートです。

【まずは無料相談から一歩踏み出してみませんか?】

薬剤師専門の転職エージェントなら、あなたのキャリア背景を深く理解し、未経験者向けの学術職求人や選考対策をフルサポートしてくれます。

  • 未経験OKの学術職求人を知りたい
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  • 面接で伝えるべきポイントを知りたい

そんな方は、ぜひ以下の記事で、あなたに合った転職エージェントをチェックしてみてください。

→ 薬剤師向け転職エージェント比較|未経験OK求人にも強いおすすめサービスを厳選紹介

あなたの新しいキャリアは、たった一歩の行動から始まります。

「学ぶ力」を信じて、未来を切り拓きましょう。

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ラクダ(外資系薬剤師×FP×国際唎酒師)
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ここまで読んでくださってありがとうございます。 私自身も「このままでいいのかな」と悩んだ末、3度の転職を経験しました。 キャリアに悩む薬剤師の方に、少しでもヒントや気づきを届けられたら嬉しいです。

キャリアの次の一歩に、確かな選択肢を。

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