『カルチャーマップ』を読んで外資系で評価される薬剤師に|文化の違いを“武器”に変える1冊

外資系企業への転職や異動を考える薬剤師の方へ。英語力を磨いても、「なぜか伝わらない」「評価されない」ことにモヤモヤした経験はありませんか?
私自身、まず日本語版でこの『カルチャーマップ』を読み、現在は英語原著で再読中です。読み進めるたびに「なるほど、これが文化の違いか」と納得し、実務でも役立ちました。本記事では、薬剤師が外資系企業で陥りやすい異文化ギャップと、その解決に『カルチャーマップ』がどう効くかを、実体験を交えて解説します。
薬剤師が外資系企業で直面する“文化の壁”
外資系企業に転職した薬剤師が最初に感じる“違和感”。
それは、英語のスキルでも専門知識でもなく、「文化のズレ」によって生まれるものかもしれません。
私自身、日本語でもうまくいくと思っていた説明が英語ではまったく通じなかったり、フィードバックの意図が読めずに戸惑った経験があります。
ここでは、薬剤師が実際の現場でどのような“カルチャーギャップ”に直面しやすいかを3つの具体例でご紹介します。
英語で伝えたのに伝わらないのはなぜ?
英語力にはそこそこ自信があっても、「ちゃんと伝えたはずなのに、全然伝わっていない」という場面に直面することがあります。
例えば、薬事関連の申請資料について“要修正点”をまとめて丁寧に伝えたつもりが、「結局、何をどう直せばいいのか?」と逆に混乱させてしまったことがありました。
これは**“低コンテクスト文化” vs “高コンテクスト文化”**の差によるもの。
- 日本人同士なら「察して理解」が成立するやりとりも
- 外資系では「明文化されていない=存在しない」に近い扱いになります
『カルチャーマップ』ではこのような文化的な伝達スタイルの違いを「コミュニケーション」の軸で整理しており、自分のスタイルを客観的に捉え直すきっかけになりました。
指導や評価の仕方が真逆だったエピソード
上司からフィードバックをもらったとき、「よくやっているね。でもここは改善できるかも」と言われたら、あなたはどう感じますか?
私は「まず褒めてから…そのあと少し否定」と解釈していましたが、ドイツ人の上司に同じような言い方をしたところ、“ごまかしている”と誤解されたことがあります。
これは、「ネガティブフィードバック文化」の違いです。
- 日本やアメリカはやんわり指摘し、相手の感情を尊重する文化
- 一方で、ドイツやフランスは率直さ=誠実さとみなされます
『カルチャーマップ』を読むと、「あの時のズレはこれか!」と腑に落ちることが多く、フィードバックの仕方を調整することで上司との信頼関係も改善されました。
会議やチャットで浮いてしまう理由
外資系のオンライン会議で「発言のタイミングがわからない」「誰も話を拾ってくれない」と感じたことはありませんか?
私も最初は、“話を遮ってはいけない”という気持ちが強くて、結局一言も話せずに終わってしまうことが何度かありました。
これは、「階層意識」や「意思決定スタイル」の文化的差によって起こる“見えない壁”です。
- 日本では「調和・順番・遠慮」が重視されがちですが
- 多くの外資系では「自分の意見は自分で取りに行く」スタイルが基本
『カルチャーマップ』の「リーディング vs イコリタリアン文化」の解説を読むことで、自分がどこでブレーキをかけていたかがクリアになりました。
※『カルチャーマップ』はこうした“言葉ではないズレ”を8つの文化的尺度で読み解き、実務の中で「どうすればうまく伝わるか・馴染めるか」を整理できる名著です。
実際に読んだ体験を交えて詳しく紹介しているので、ぜひ以下の記事もご覧ください。
▶ 薬剤師が外資系企業で成功するための『カルチャーマップ』レビューはこちら
関連記事へのリンク
薬剤師が外資系企業で直面する“文化の壁”
―『カルチャーマップ』を読んで気づいた3つのズレ―
外資系企業に転職して感じた違和感。
それは英語力ではなく、「文化そのもの」にありました。
私は薬剤師として国内企業で勤務後、外資系医療系企業に転職しました。
ある程度の英語力はありましたし、業務の理解にも自信がありました。
――それでも、伝わらない・噛み合わない・評価されない。そんな経験に直面しました。
その理由を言語化してくれたのが、エリン・メイヤー著『カルチャーマップ』です。
この記事では、実際に本を読んだ感想をもとに、薬剤師が外資系で直面しやすい“文化の壁”を3つに分けて紹介します。
1. 英語で伝えたのに伝わらないのはなぜ?
英語力はあっても、「ちゃんと説明したつもり」が通じない――そんな場面が何度もありました。
たとえば、申請資料の修正指示。
「〇〇の形式に変更お願いします」と伝えたつもりが、相手の反応は薄く、結果として対応されない。
のちにわかったのは、相手にとって「お願い」ではなく「雑談の一部」と捉えられていたということでした。
『カルチャーマップ』ではこれを「高コンテクスト vs 低コンテクスト文化」の違いとして解説しています。
日本人のように“察する”文化ではなく、「言葉にしなければ存在しない」とされる文化では、明確さが命。
読後、「自分がいかに日本的に話していたか」を痛感しました。
2. フィードバック文化が真逆で驚いた話
日本企業での評価は、「まずは褒めて、最後に課題を伝える」のが一般的。
でも外資ではその逆でした。
私が「とても良かったと思います、ただ少し気になる点が…」と伝えたところ、
“結局どうしたいの?”と一刀両断されてしまいました。
『カルチャーマップ』で紹介されているのは、「直接 vs 間接」的なネガティブフィードバック文化の違い。
日本やアメリカは間接的、ドイツやオランダは超直接型。
上司やチームの文化背景を意識するだけで、伝え方が変わり、関係性が変わることを実感しました。
3. 会議やチャットで“浮いてしまう”理由
外資系の会議で、沈黙が怖くて発言できなかった私。
でも驚いたのは、「発言しない=意見がない」と受け取られていたことでした。
これも『カルチャーマップ』でいう「リーダーシップ」「意思決定」の尺度による文化差。
・日本では「周囲の空気を読んで発言」する
・対して多くの欧米企業では「発言してナンボ」なのです。
本を読んでからは、**“話す勇気”ではなく、“話す責任”**として会議に臨むようになりました。
読み終えた感想として
私はこの本を日本語版で一度読了し、現在は英語版(Kindle)で再読中です。
英語で読むことでニュアンスや文化的含みをより深く理解でき、「あの時の違和感」が点と点でつながっていく感覚がありました。
外資系の薬剤師キャリアにおいて、英語のスキルアップももちろん大切ですが、
“文化の理解”こそが、実は一番の武器になる。
それを教えてくれたのが『カルチャーマップ』です。
▼こんな方におすすめです
- 外資系への転職・異動を考えている薬剤師の方
- 英語はできるけど、職場の“空気感”に馴染めないと感じている方
- 上司・チームメンバーとのコミュニケーションに不安がある方
▶ 今すぐチェック
『カルチャーマップ』とは?|文化の違いを可視化するツール
外資系企業で働く薬剤師にとって、語学力と同じくらい重要なのが**「異文化コミュニケーション力」**です。
私自身、ある程度の英語力があるにもかかわらず、報連相や会議での振る舞い、フィードバックの仕方がうまくいかずに悩んでいた時期がありました。
その“なぜうまくいかないのか”を言語化し、構造的に理解させてくれたのが、**エリン・メイヤー著『カルチャーマップ』**という1冊です。
エリン・メイヤーとは?
エリン・メイヤーは、フランスの名門ビジネススクールINSEAD(インシアード)の教授で、異文化マネジメントと国際ビジネスコミュニケーションの第一人者です。
Google、マイクロソフト、ナイキ、シスコといったグローバル企業の研修も手がけており、著書『カルチャーマップ(The Culture Map)』は、世界60カ国以上で翻訳・出版されているベストセラー。
彼女の強みは、単なる文化論にとどまらず、“現場でどうすれ違いが起きて、どう修正できるか”という具体的なフレームワークとして異文化を解説している点です。
8つの文化的尺度の概要
『カルチャーマップ』では、世界のビジネス文化を**以下の8つの「尺度」**で可視化します。
尺度 | 内容 |
1. コミュニケーション | ハイコンテクスト(暗黙)⇔ ローコンテクスト(明示) |
2. 評価(フィードバック) | 間接的 ⇔ 直接的 |
3. 説得のアプローチ | 原則重視 ⇔ 実例重視 |
4. リーダーシップのとらえ方 | ヒエラルキー型 ⇔ フラット型 |
5. 意思決定の仕方 | トップダウン ⇔ コンセンサス重視 |
6. 信頼の築き方 | タスクベース ⇔ 人間関係ベース |
7. 対立への姿勢 | 対立は避ける ⇔ 対立も議論のうち |
8. スケジューリング | 柔軟(ゆるい)⇔ 厳密(時間厳守) |
この「文化マップ」を活用すれば、上司・同僚・部下との**“認識のズレ”を構造的に見直す**ことができ、実務上のストレス軽減や関係改善にもつながります。
外資系現場で実感する“この尺度がズレていた”具体例
● 日本 × インド
ズレた尺度:スケジューリング、対立への姿勢
あるインド人の同僚との共同プロジェクトで、締切直前になっても彼の行動が変わらず焦った経験があります。
後からわかったのは、**“納期を柔軟に捉える文化”と“最後に追い込みをかけるスタイル”**が普通だったということ。
『カルチャーマップ』では、インドが「柔軟スケジューリング」側に位置づけられており、納得感が得られました。
● 日本 × 中国(上司)
ズレた尺度:リーダーシップ、意思決定
中国人上司のスタイルは非常にトップダウン。日本的な「意見の擦り合わせ」を持ちかけたら、逆に“なぜ口答えするのか”と不機嫌に。
『カルチャーマップ』を読んで、「上司=指示を出す人」文化圏では、過剰な相談が不信感になると知り、対応を変えました。
● 日本 × 中国(同僚)
ズレた尺度:信頼構築、対立への姿勢
日本人は「関係構築に時間をかける」傾向がありますが、中国の同僚は成果ベースで信頼を築いていくスタイル。
仲良くなる前に率直に意見を言われ、戸惑いましたが、“意見=関係の終わりではない”文化なのだと知ってから、コミュニケーションが楽になりました。
● 日本 × フランス
ズレた尺度:フィードバック、対立への姿勢
フランス人上司にレポートを提出した際、あまりにもストレートな赤字添削が返ってきてショックを受けました。
でも後から「内容が良いからこそ、もっと良くしたい」と言われ、ようやく納得。
『カルチャーマップ』の「直接的なネガティブフィードバック文化」は、まさにこのケースを言い当てています。
● 日本 × アメリカ
ズレた尺度:意思決定、信頼構築
アメリカ人チームと仕事をしたとき、「とりあえずやってみる」「ダメなら切り替える」文化に驚きました。
日本のような「全員で決めて、確実に進める」スタイルでは、むしろスピード感を失ってしまうことも。
この尺度を意識することで、「どの場面で日本的な進め方を通すか/譲るか」の線引きができるようになりました。
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▶ 異文化コミュニケーションを学ぶ|薬剤師向けおすすめ本5選
筆者の読書体験|日本語版→英語版再読の気づき

私は『カルチャーマップ』を**日本語版で一度読了し、現在は英語版(Kindle)で再読中(進捗69%)**です。
きっかけは、外資系企業に転職して半年が経った頃。
英語の壁ではなく、文化的なズレに悩み始めたときに、「これはもしかして“語学力”ではなく“文化の理解”が足りないのでは?」と感じたことでした。
この本を通じて、「自分の伝え方や受け止め方が“日本語的”だった」と気づけた瞬間が何度もありました。
「これはまさにうちの職場だ」と思った瞬間
日本語版を読んでいて最初に強く共感したのが、**「ネガティブフィードバックの文化的違い」**の章でした。
上司がストレートにミスを指摘するのは「怒っているから」ではなく、「ちゃんと改善してほしいから」
一方、日本のようにオブラートに包む文化では、相手は“言わないことで察してほしい”と受け取る
これを読んだ瞬間、まさにフランス人の上司とのやりとりでモヤモヤしていた場面が頭に浮かびました。
「あの時、冷たくされたと思ったのは…ただ文化が違うだけだったんだ」
この一文が、それまでの不安や誤解を一気に溶かしてくれた感覚があります。
読者の声(実体験より)
「ネガティブな指摘=信頼がない、と思い込んでいました。でも、文化によっては“それこそが誠実さ”なんですよね。」
— 製薬メーカー勤務・35歳男性(再読中)
英語版で読むことで得られるニュアンスの深さ
現在は、**英語版をKindleで再読中(69%読了)**です。
英語で読むと、文化的な微妙なニュアンスがよりクリアに伝わってきます。
たとえば、“implicit” vs “explicit”(暗黙的/明示的)の使い分けや、“confrontational”(対立的)という言葉が出てきた時に、
「なるほど、日本語訳では言い切られていない“エッジ”がここにあったのか」と気づくことが何度もあります。
また、会議・メール・資料などでの英語表現にも応用できるフレーズが自然に出てくるため、
語学学習+実務スキルアップの両面に効く再読体験となっています。
※画像はKindleでの再読画面です(現在69%読了)。原文から直接得られる“文化の呼吸”が面白い。
業務での変化|レポート・会議・上司への対応
この本を読んでから、実際の業務で意識して変えたことがいくつかあります。
● レポートの書き方:
- 日本語的な「背景を丁寧に説明してから結論」ではなく、先に要点→補足へと切り替え
- 英語圏の「ローコンテクスト文化」への最適化
● 会議での発言:
- 「発言の順番を待つ」から「タイミングを取って主張する」へ
- **“意見を出す=存在を示す”**文化への対応力が向上
● 上司との接し方:
- 直接的なフィードバックにも過剰にへこまない
- 逆にこちらからも**“はっきり言う勇気”を持つようになった**
こうした変化を積み重ねた結果、評価面談で「チームとの関係構築がスムーズになった」と言われたのは、本当に嬉しい瞬間でした。
読書ログとしてのひと言
『カルチャーマップ』は、英語を使う環境に慣れてきた“次の壁”に気づかせてくれる本でした。
ただ読むだけでなく、「自分の働き方を内省できる1冊」として、外資系を目指す薬剤師には強くおすすめしたいです。
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▶ 異文化コミュニケーションを学ぶ|薬剤師向けおすすめ本5選
『カルチャーマップ』を薬剤師が読むべき理由
外資系企業で働く薬剤師にとって、『カルチャーマップ』は英語の次に読むべき一冊といっても過言ではありません。
なぜなら、現場で「伝わらない」「馴染めない」「誤解される」と感じる場面の多くは、語学の壁ではなく文化のズレによって引き起こされているからです。
以下では、実際に外資系企業で働いている立場から、本書がどのように実務で役立ったか、そして今後のキャリアにどう活かせるかを3つの視点でご紹介します。
異文化理解は「英語力」の次に求められるスキル
英語力は確かに必要です。
でも、英語ができるだけでは“うまくいかない”現場が確実にあります。
たとえば:
- 正しい文法でメールを送っても返事が冷たい
- 会議で丁寧に話したのに「で、結論は?」と突っ込まれる
- 日本人同士なら伝わる“行間”が、まったく通じない
これらはすべて、**言葉の問題ではなく“文化的前提の違い”**によるものです。
『カルチャーマップ』では、これらのギャップを「8つの文化的尺度」に分類して解説しており、自分自身の伝え方・受け取り方のクセを見直すことができます。
薬剤師のように「正確な情報伝達」が求められる職種こそ、文化的な誤解を減らすスキルが不可欠です。
職場での信頼・ストレスの軽減に直結
外資系企業で働く中で、ストレスの多くは「人間関係」や「チーム内コミュニケーション」に起因します。
私自身、『カルチャーマップ』を読んでから、上司や同僚に対する“見え方”が明らかに変わりました。
たとえば:
- フィードバックがストレートでも「怒っているのではなく、文化的に普通」だと理解できた
- 発言の少なさを「消極的」と判断された経験が、“文化の違い”として説明できるようになった
- 自分からの提案が否定されたときにも、「アイデアへの批判=人格否定ではない」と冷静に受け止められるように
結果として、過度に落ち込んだり不安になる場面が減り、業務に集中できるようになったことは、明らかに大きな効果でした。
異文化理解は、“スキル”であると同時に、**ストレスを減らし、信頼を築く“安心材料”**でもあるのです。
将来のマネジメント・海外支社対応にも活かせる
薬剤師のキャリアは、いまや企業内でのマネージャー職やグローバル対応ポジションへと広がっています。
製薬・CRO・ヘルスケア企業においても:
- 海外本社とのやりとり(英文レポート、会議参加)
- 外国人部下・チームとの協業
- 多国籍メンバーによるプロジェクト運営
といったシーンは増加傾向です。
こうした場面で必要なのは、「TOEICスコア」ではなく、文化の前提を理解した上で、相手に合わせて伝える力です。
『カルチャーマップ』は、そうした将来のハイクラス転職・マネジメント層を見据えた薬剤師にとって、まさに**実践的な“異文化マネジメントの入門書”**となります。
英語よりも大切な“ズレを解像度高く見抜く目”を、いまのうちに手に入れておくことが、数年後のキャリアの幅を変える鍵になります。
関連記事リンク(内部リンク)
あなたの働き方が変わる一冊に出会うために
外資系企業に転職して実感したのは、「英語力だけでは通用しない」という現実でした。
会議での沈黙、曖昧なフィードバック、馴染めない空気…。
それらは語彙の問題ではなく、“文化の違い”という見えない壁だったのです。
『カルチャーマップ』は、その壁を言語化し、“違いを責めるのではなく、理解する”という視点をくれました。
私はこの本を、まず日本語版で読了し、いまは英語版をKindleで再読中です。
読み進めるたびに、「あのとき感じた違和感は、そういうことだったのか」と納得する瞬間があります。
通じなかった理由がわかると、伝え方も変わります。
伝え方が変わると、評価も、働きやすさも、未来も変わっていきます。
『カルチャーマップ』はこんな方におすすめです:
- 外資系企業で働く予定がある、もしくは現在働いている薬剤師の方
- 英語はある程度できるのに、なぜか伝わらない・馴染めないと感じている方
- マネジメントやグローバル対応の機会が増えてきた方
- 自分の働き方を見直すきっかけが欲しい方
まずはKindleで1章だけでも読んでみてください。
“働く視点”が、きっと変わります。