忙しい薬剤師のための英語勉強法|TOEIC対策から外資系転職への一歩まで

「英語、そろそろ本気でやらなきゃ…」
将来の外資系転職やグローバルなキャリアを見据えて、英語を学びたい薬剤師の方は増えています。でも、毎日の仕事に追われ、まとまった時間はなかなか取れないのが現実。
この記事では、スキマ時間で取り組めるTOEIC対策や、薬剤師向けに特化した英語勉強法を厳選してご紹介。キャリアアップにつながる一歩を、今日から始めてみませんか?
なぜ薬剤師にも英語力が求められるのか?
かつては「英語ができなくても問題ない」とされていた薬剤師業界。しかし、グローバル化の進展とともに、薬剤師にも確かな英語スキルが求められる時代が訪れています。とくに外資系企業や国際共同治験に関わるような領域では、英語力が転職・キャリア形成における「武器」として強く作用します。
外資系製薬企業・CRO・ヘルステックでの必須スキル
近年、薬剤師の活躍フィールドは「調剤・病院」から「企業」へと広がっています。なかでも以下のような職種では、業務上での英語使用が前提となるケースも少なくありません。
- 外資系製薬企業のMSL(メディカルサイエンスリエゾン)
- CROでの治験関連業務(CRA・QC・DMなど)
- グローバル展開するヘルステック企業での薬事・品質保証
これらの職種では、海外本社との会議資料の読み書きや、英語での報告・議論が必須。翻訳ソフトでは対応できないスピード感・正確性が求められます。
TOEICが評価される理由と基準点
企業が応募者の英語力を判断するうえで最も活用されている指標の一つがTOEICスコアです。とくに外資系やグローバル企業では、書類選考時点で以下のような基準を設けていることが多くあります。
目安スコア | 期待される英語力 | 想定される職種例 |
600点〜 | 日常的な読み書きができる | 国内向け薬事、CRO、社内資料対応 |
730点〜 | ビジネス英会話対応が可能 | MSL、PV、品質保証、国際対応業務 |
860点以上 | 英語での交渉・交信が可能 | 外資系マネジメント職、MA、グローバルプロジェクト |
特に730点以上が一つのボーダーラインとなりやすく、MSLなど英語での医療知見のやりとりが求められる職種では、履歴書に記載するだけでスクリーニングを突破する確率が大きく上がります。
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忙しい薬剤師でもできる!英語学習の基本戦略
「勉強したいけど、時間がない」「毎日疲れて英語どころじゃない」——そんな声が多い薬剤師業界。しかし、**スキマ時間を味方につければ、英語力は確実に伸ばせます。**ポイントは、“完璧”より“継続”。ここでは、忙しい日常でも実践できる3つの基本戦略をご紹介します。
1日15分でも続けられるルーティンの作り方
まずは「毎日続ける」ことを第一に。おすすめは朝の準備中や夜の歯磨き中など、日々の生活に“組み込める”タイミングに英語学習をセットすることです。
例:
- 朝、着替えながら英単語アプリを5分
- 昼休みにTOEICリスニング問題を1セット
- 就寝前にニュース記事を1本読む(英語ニュースアプリ活用)
**ルールは1つ:「短くてもいいから、毎日やる」。**積み重ねが最大の武器になります。
通勤・スキマ時間を活かす“ながら学習”
薬剤師は通勤時間や待機時間が貴重な学習タイムになります。以下の“ながら学習”スタイルなら、忙しさを言い訳にせず、英語に触れる時間を日常に組み込めます。
おすすめツール・方法:
- VoicyやPodcast(英語ニュース)を聴く
- TOEIC公式アプリやスタディサプリENGLISHを活用
- 英語フレーズが届くLINE botやメール講座に登録
“勉強感”をなくし、英語に慣れる時間を無理なく積み上げることがポイントです。
挫折しないための目標設定と可視化
学習が続かない原因の多くは、「目標が曖昧」「成果が見えない」こと。そこで有効なのが、目標を小さく分けて“見える化”することです。
たとえば:
- 「まずは2週間で単語100個」→達成したらチェックをつける
- 「毎週1回、TOEIC模試を1セット」
- 「3ヶ月後に公式TOEICを受験する」と期限を決める
アプリやカレンダーに学習ログを残すと、“がんばった自分”が可視化されてモチベーションが続きます。
こうした基本戦略をベースに、「英語を使う未来(外資系企業への転職)」と結びつけることで、より継続しやすい目標に進化します。
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薬剤師向け|TOEICスコアアップのおすすめ勉強法
「英語を話せなくてもいい。でもTOEICスコアくらいは上げたい」——
そう感じる薬剤師の方は多いはず。TOEIC500〜700点台は、外資系企業の“応募条件ライン”になることも多く、転職市場でも強い武器になります。
ここでは、薬剤師の実務と両立しながら、効率よくスコアアップする方法をまとめました。
スコア500〜700を目指す人の勉強法
まず大前提として、500〜700点台を目指す場合は「基礎を固めることに全振り」するのがベストです。
多くの薬剤師が苦手とするのは、以下の2点です:
- Part2・Part3のリスニング力(会話の速さに慣れていない)
- Part5・Part6の文法問題(感覚で解いてしまう)
対策のコツは、「毎日短く解いて、すぐ見直す」を習慣化すること。
たとえば:
- 朝の5分で「Part2 10問」+スクリプト確認
- 通勤時間にリスニング音声を繰り返し再生
- 週末に「Part5の文法演習30問」+解説まとめ
500→600、600→700の壁は“慣れ”と“反復”で突破できます。
使える参考書・アプリ・YouTube講座
忙しい薬剤師にこそ、学習ツールの“使い分け”が鍵。ここでは、TOEIC初〜中級者におすすめの定番ツールを紹介します:
【参考書】
- 『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』
→ 1日10フレーズずつ、通勤中に繰り返すだけでも効果大。 - 『TOEIC公式問題集シリーズ』
→ リアルな形式に慣れるための必須アイテム。
【アプリ】
- Duolingo:ゲーム感覚で毎日続けやすい/基礎文法の復習に◎
- ELSA Speak:発音矯正に特化。薬剤師の“伝わる英語”を鍛えられる
- スタディサプリENGLISH(TOEIC対策コース):映像講義&問題演習が一体型で効率的
【YouTube講座】
- AK in カナダ(TOEIC基礎〜中級向け)
- スタディサプリ公式チャンネル(公式講師による解説がわかりやすい)
- バイリンガール英会話(耳慣らし・表現学習にぴったり)
ポイントは「教材を絞って、繰り返すこと」。多くに手を出すよりも、“自分に合った1〜2個”を使い倒すのがスコアアップの近道です。
医療英語・業務英語の導入はいつから?
「TOEICの勉強と、医療英語や業務英語って別物?」という疑問を持つ方も多いですが、**TOEICスコアが600〜700を超えたあたりが“次のステップ”**です。
医療英語を取り入れるべきタイミング
- TOEICの長文読解やリスニングに“慣れてきた”段階
- 英語に「興味を持てるようになった」段階
- 外資系企業・CROなどで「業務英語が必要になりそう」なタイミング
導入例:
- MerckやPfizerなど製薬企業の英語サイトを毎日1記事読む
- PubMedのアブストラクトだけを読む習慣をつける
- YouTubeで“Clinical Trial English”や“FDA Approval”系の解説動画を見る
TOEICの延長で学ぶというよりも、「日常的に触れる中で慣れていく」のが理想です。
TOEICスコアは、単なる数値ではなく**「外資系転職に近づくための信用指標」**。
正しい勉強法とツールを選び、着実に積み上げていきましょう。
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モチベーションを維持するコツと習慣化の工夫
英語学習は「やる気があるときだけやる」ものではありません。特に忙しい薬剤師にとっては、気分や時間に左右されず、淡々と続けられる仕組み作りが鍵です。ここでは、3つの視点から“続けられる英語学習”を実現する方法をご紹介します。
SNSや勉強記録アプリの活用法
学習の「見える化」は、継続と達成感を両立させる最強の習慣化ツールです。SNSやアプリを活用して、自分の成長を記録・発信してみましょう。
おすすめツール&活用法:
- Studyplus(スタディプラス):毎日の学習時間を記録。グラフ化されるとやる気UP
- Twitter/Xで「#TOEIC勉強垢」などの学習仲間とつながる:互いに励まし合える環境を作れる
- Notionやスプレッドシートで“学習ログ”を可視化:今日やったこと・感じたことを一言だけ記録
人に見せることで緊張感が生まれ、「今日もやろう」という心理的ブースターになります。
「話す予定」を入れると学習は加速する
TOEICスコアの勉強だけでは、学習が単調になりがち。そんなときは、“使う予定”をスケジュールに入れると、驚くほどモチベーションが復活します。
たとえば:
- 月1回のオンライン英会話(Cambly, レアジョブなど)を予約する
- 医療英語を話せるMeetupや勉強会に参加してみる
- 英語の勉強会を同僚と一緒に始める
“話す予定”があると、「発音してみよう」「単語覚えておこう」と目的のある学習に変わり、自然とスイッチが入ります。
英語学習×キャリア設計の視点を持つ
「英語をやる意味が見えないと、続かない」——それはごく自然な感情です。だからこそ、“キャリアと英語”をつなげて考える習慣を持ちましょう。
こんな問いかけを、定期的にしてみてください:
- 「今の英語力で、どんな求人に応募できるだろう?」
- 「半年後、外資系の面接を受ける自分を想像できるか?」
- 「5年後、自分はどんな働き方をしたい?」
英語を“勉強”から“キャリア戦略の一部”と捉えることで、学習は義務ではなく、未来への投資に変わります。
TOEICのスコアや英語力そのものも大切ですが、何より「続けること」が最大の成果になります。
あなただけのペースで、無理なく、でも着実に前へ進んでいきましょう。
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英語力を武器にする|キャリアアップの次のステップ
英語を学ぶ目的は“試験の点数”ではなく、“キャリアの幅を広げること”。特に薬剤師としての経験に英語力が加わると、選べるポジションや企業の質が大きく変わります。
ここでは、薬剤師が英語を活かせる企業職と、実際の転職戦略をご紹介します。
MSL・PV・MAなど“英語を活かす企業職”とは?
企業内で英語を必要とする職種は、製薬・CRO・ヘルステック業界を中心に多数存在します。以下は代表的な“英語×薬剤師キャリア”の例です:
職種名 | 内容 | 英語の使用シーン |
MSL(メディカルサイエンスリエゾン) | 医師と高度な医学的対話を行う | 海外論文読解・英語での報告 |
PV(ファーマコビジランス) | 安全性情報の収集と評価 | 海外本社へのレポート作成 |
MA(メディカルアフェアーズ) | 医療関係者への情報提供戦略 | 国際会議資料の作成・対応 |
RA・薬事 | 薬事申請・承認対応 | グローバル申請書類の確認 |
どの職種も「専門知識+英語」が評価されるポジションであり、TOEIC700点以上がひとつの基準ラインとなります。
転職で武器になるTOEICスコアと実績の見せ方
英語学習の成果を転職活動に活かすためには、“数字+具体的な経験”でアピールするのがポイントです。
例:
- 「TOEIC730点/英文論文の精読や抄読会経験あり」
- 「MR職として、英語での社内会議・資料作成を定期的に対応」
- 「治験業務でグローバルCROとのメールやWeb会議に対応」
TOEICスコア単体ではなく、「英語で何ができるのか」までをセットで示すことで、企業側からの評価が高まります。
転職支援サービスをうまく使う方法
キャリアアップを本気で目指すなら、転職エージェントの活用は必須です。特に外資系企業や英語力を活かしたポジションは「非公開求人」も多いため、自力応募では見つからないことも。
薬剤師の外資系転職に強いサービス例:
- JACリクルートメント:外資・製薬職に特化した老舗
- Samurai Job/エンワールド:英語求人・グローバル企業に強み
- ビズリーチ/CAREER CARVER:スカウト型でハイクラス求人に届きやすい
まずは2〜3社に登録し、「自分の市場価値」を客観的に見せてもらうことからスタートしましょう。
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まとめ|“英語×薬剤師”で広がるキャリアの選択肢
英語学習は、薬剤師にとって決して「遠い世界の話」ではありません。
むしろ、あなたの専門性に“言語という武器”が加わることで、これまで見えなかったポジションやキャリアが一気に現実味を帯びてきます。
もちろん、最初から完璧を目指す必要はありません。
1日15分のリスニング、1フレーズの暗記からでも、“今日始めた自分”を少しずつ変えていくことができます。
「外資系に行きたい」「もっと裁量のある仕事がしたい」——
そんな思いを実現するために、英語は最も再現性の高い投資です。
やるか、やらないか。それだけの違いが、将来を大きく左右します。
まずは“行動”からキャリアの可能性を広げてみよう
英語は、ただの勉強ではなく、**キャリアの選択肢を広げる“武器”**です。
仕事と両立しながらでも、正しい方法で継続すれば、確かな成果が返ってきます。
次は、あなたが“外資系キャリア”に踏み出す番です。
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