薬剤師の外資系転職に英語力はどこまで必要？TOEIC目安と対策法を徹底解説

「TOEIC何点あれば外資系に転職できる？」

この疑問は、英語に自信がない薬剤師にとって最初のハードルです。

実は“満点”を目指す必要はありません。職種によって求められるレベルは異なり、学ぶ姿勢やコミュニケーション力で評価されることも。

この記事では、外資系転職に必要な英語力の目安から、TOEIC対策・英語力を武器に変えるコツまでを詳しく解説。

不安を自信に変える第一歩を、ここから始めましょう。

外資系企業で英語が使われる場面とは？

外資系企業において「英語を使う」と一口に言っても、その頻度やレベルは職種によって大きく異なります。薬剤師が関わる製薬・医療業界では、社内外のやり取りや資料が英語で行われる場面も多くありますが、すべてがネイティブレベルの英語力を求められるわけではありません。まずは自分の志望職種や環境において、どんな場面で英語が使われるのかを理解しておくことが、過剰な不安を防ぎ、効果的な対策にもつながります。

職種によって異なる英語の使用頻度

例えば、**RA（薬事）やPV（安全性情報）**などのポジションでは、海外本社への報告書作成や文献読解など「読み書き」が中心になることが多く、スピーキングに不安があっても比較的対応しやすい傾向があります。一方、MSL（メディカル・サイエンス・リエゾン）やグローバルプロジェクトマネジメントのように、医師や海外の関係者とリアルタイムでコミュニケーションを取るポジションでは、より高い会話力が求められることもあります。

読み書き中心 vs 会話力が必要なポジション

英語使用のバランスを大きく左右するのが、「英語の読み書き中心の職種」か、「スピーキングが日常的に求められる職種」かという点です。たとえば文書レビューや報告業務では翻訳ツールの併用も可能ですが、会議やプレゼンの場では瞬発的な表現力やリスニング力も問われます。英語への苦手意識がある場合は、まず読み書きが中心の職種からステップを踏むのも現実的なアプローチです。

社内公用語が英語＝ビジネス英語力が求められる？

一部のグローバル企業では、社内の公用語が英語である場合もあります。この場合、日本支社内のやりとりでも英語でメールを送ったり、チャットツールでやり取りしたりするケースが増えます。とはいえ、すべてがネイティブレベルでの会話を前提にしているわけではなく、「伝わるビジネス英語」ができれば十分なケースも多いです。英語が苦手な人でも、丁寧にサポートしてくれるチームもあり、むしろ**「苦手でも学ぶ姿勢」が評価される文化**が根付いています。

関連記事：

▶ [外資系薬剤師の仕事内容とキャリアパス完全ガイド]

TOEICスコアの目安と職種別の求められるレベル

「外資系＝英語がペラペラでないと無理」という印象を持っていませんか？実際には、TOEICスコアはあくまで参考指標であり、職種によって求められる水準は異なります。ここでは薬剤師が応募しやすい代表的な職種ごとに、**スコアの目安と実務で求められる語学スキルの“質”**を解説します。

一般職（RA・PV・品質保証）の場合

TOEIC：600〜730点が目安

この層では、文書読解・英語での報告書作成・メール対応が主な業務。

話す機会は限られており、「読み書き中心」の実務がほとんどです。

• 海外本社への定型レポート提出
• 規制文書やSOPの英語読解
• 英文メールでの連絡調整（テンプレート対応が多め）

翻訳ツールやチェック体制が整っていることも多く、英語に苦手意識があっても挑戦しやすいポジションです。

MSL・グローバル職で求められる英語力

TOEIC：750〜860点以上が目安

MSL（メディカル・サイエンス・リエゾン）や臨床開発、グローバル部門などでは、リアルタイムのやりとり・資料発表・会議参加が頻繁に発生します。

• 海外医師やKOLとの英語ミーティング
• グローバルカンファレンスでのプレゼン
• 自発的に議論・質問を交わすスピーキング力

読み書きだけでなく**“瞬発力ある会話”**が重視されるため、TOEICだけでなく英会話経験も見られる傾向にあります。

マネージャー職に求められる実践的な語学力

TOEIC：850点以上（できれば英語面接での表現力が重要）

管理職やリーダーポジションでは、部下育成・本社との交渉・会議の進行役として、英語での意思決定力・説明力が問われます。具体的には：

• 戦略や成果を英語でプレゼンする
• 英語でのマネジメントレポート
• 海外の上司・部門との折衝

スコアよりも**「対等に交渉できるか」というビジネス英語の質**が重要視される場面が多いです。

採用担当者が見ているポイントとは？

企業の採用担当は、TOEICスコアだけでなく**「どんな場面で英語を使ったか」「どれだけ自走できるか」**に注目しています。

• スコアの高さ ＜ 実践経験の深さ（例：英語プレゼン、海外との共同業務）
• 英語力の「実績」がCVや職務経歴書で伝わっているか
• 苦手な領域も“学ぶ姿勢”があるかどうか

「英語に不安があるけど成長したい」と面接で誠実に伝えることが評価につながるケースも多数。大切なのは、今の実力＋学習姿勢の両方を伝えることです。

関連記事：

▶ [外資系薬剤師の年収相場と福利厚生事情]

英語力に不安がある人のための自己診断法

「TOEICの点数はあるけど、実務で通用するかは不安」「志望職種でどのくらい話せればいい？」

そんな疑問を解消するには、今の英語力を客観的に把握し、職種とのギャップを確認することが第一歩です。ここでは、薬剤師が外資系転職を検討する際に使える実践的な自己診断のポイントを解説します。

自分の英語スキルを客観視する方法

英語力を可視化するには、スコア以外の観点も必要です。

• TOEIC / TOEFLなどのスコア確認（ListeningとReadingのバランスも）
• 実務経験：メール作成、会議参加、電話対応などの頻度
• 英語環境での反応スピード：初見の話題への対応力

さらに、無料で受けられるオンライン英語診断（EF SETなど）を活用するのも効果的です。

Tip：自己評価＋外部のフィードバック（英語コーチ・エージェント）を組み合わせると、より精度が上がります。

志望職種と必要英語力のギャップ確認

職種ごとに、必要な英語スキルには明確な違いがあります。

この表をもとに、自分の現在地と「目標職種で求められるスキル」の差を把握しましょう。

志望先のJob Description（JD）からも、英語使用頻度のヒントが得られます。

面接前に押さえておくべき英語質問パターン

「英語で面接」と聞くだけで構えてしまう方も多いですが、実はパターン化されています。よくある質問例を押さえておくだけでも安心感が違います。

頻出例：

• Please tell me about yourself.（自己紹介）
• Why are you interested in this position/company?（志望動機）
• What is your strength/weakness?（強み・弱み）
• Describe a situation where you solved a problem.（課題解決の経験）

答え方のテンプレート（STAR法など）を準備しておくことで、流れを掴みやすくなります。

関連記事：

▶ [英語が苦手でも外資系に転職できる？対策と成功例]

英語力を上げるための効果的な学習法

「英語を勉強したいけど、時間がない」「どこから手をつけていいかわからない」

そんな薬剤師の方に向けて、限られた時間でも確実に効果が出る英語学習法を紹介します。

社会人薬剤師におすすめの学習スタイル

忙しい社会人にとって、継続こそが最大の成果を生みます。以下のスタイルがおすすめです。

• 週1～2回のオンライン英会話 × 毎日の短時間インプット
• 通勤や移動中の音声学習（Podcastや英語ニュース）
• 週末は“まとまったアウトプット”の時間に

ポイントは、「完璧な1時間」より「3分×10回」。

小さな積み重ねが英語脳をつくります。

アウトプット重視の勉強法（英語面接・添削など）

「使う」ことを前提にした学習は、実務英語力を伸ばす近道です。

• 英語面接の練習（録音→フィードバック）
• 英文メールの添削（例：LangCorrectやHiNative）
• 模擬面接や職務経歴書の添削付き英語コーチング（例：Cambly＋ChatGPTなど）

実際に「英語でどう話すか」を練習することで、TOEICの点数以上の実践力が身につきます。

スキマ時間で使える英語アプリ・ツール紹介

薬剤師に人気の「スキマ学習ツール」を厳選して紹介します。

学習ツールは「1つ決めて継続」がベスト。迷ったら**“スピーキング重視”のものからスタート**しましょう。

関連記事：

▶ [忙しい薬剤師のための英語学習法｜TOEICスコアアップのコツ]

英語面接の不安を乗り越えるコツ

外資系企業において英語面接は避けて通れない壁。

「ちゃんと話せるか不安」「質問が聞き取れなかったらどうしよう」——そんな不安を払拭するには、“準備”と“練習”がすべてです。

よく聞かれる質問と回答フレーム

外資系の面接でよく出る質問と、その答え方のフレームを押さえておきましょう。

英語が苦手でも、構成を準備すれば“伝える自信”が持てます。

英語に詰まったときのリカバリー法

話している途中で英語が出てこない…。そんなときに使える“つなぎフレーズ”をいくつか覚えておきましょう。

• “That’s a good question. Let me think for a moment.”
• “What I’d like to highlight is…”
• “I’m not sure I understood. Could you rephrase the question?”

間を取る・確認する・仕切り直すのは、むしろ評価されるスキルです。

模擬面接やエージェントサポートの活用法

一人での練習に限界を感じたら、プロの力を借りましょう。

• 転職エージェントの模擬面接サービス
• 英語コーチング付きのフィードバック指導
• 実際の面接フローに即したリハーサル

外資系に強いエージェントであれば、過去の質問傾向や合格者の回答例まで共有してもらえることも。

関連記事：

▶ [薬剤師の外資系転職でよくある失敗例とその対策]

英語に不安がある人ほどエージェントを活用しよう

「TOEICの点数が足りない」「英語面接が怖い」——そう感じている方ほど、転職エージェントの力を借りるべきです。

英語力に自信がない状態でも、自分に合った求人を見つけ、万全の準備で選考に臨むサポートが受けられます。

英語力に合わせた求人を提案してくれる

外資系企業＝英語必須と思われがちですが、実は…

• 読み書き中心で会話力が不要な職種（例：RA・PV）
• 国内拠点中心のポジション（例：品質管理・薬事対応）

も多数存在します。

転職エージェントなら、あなたの英語レベルやキャリア希望を踏まえて、無理なく挑戦できる求人を提案してくれます。

書類添削・模擬面接などのサポートがある

英文履歴書や英語面接に不安がある方には、以下のような実践的な支援が受けられます。

• 職務経歴書（英文CV）の添削・翻訳サポート
• 外資系面接に特化した模擬練習
• よくある質問と回答のアドバイス

自己流で迷うより、“採用側を知るプロの視点”での添削が近道です。

英語の壁を超えた転職事例も多数あり

実際に、以下のような成功事例があります：

• TOEIC600点台→RA職に内定／読み書きメイン＋研修制度あり
• 英語が苦手→英文書類はエージェントがサポート＋面接は通訳同席OKの企業で内定
• 転職後に社内英語研修でスキルアップ→MSLへステップアップした例も

「英語に自信がないから…」と諦めるのはまだ早い。環境と支援を味方につければ、道は開けます。

関連記事：

▶ [薬剤師向け転職エージェント比較・おすすめランキング]

英語力の不安、プロと一緒に「武器」に変えよう

「TOEICは何点あればいいの？」「英語が苦手だけど外資系に行ける？」

そんな不安を抱えている方にこそ、転職エージェントの支援は非常に効果的です。

• あなたの英語力をどう“強みに見せるか”
• 面接でどこまで英語を使うのか、事前に把握できるか
• 今のスキルで挑戦できるポジションはどこか

これらを一人で調べるのは難しくても、薬剤師転職に精通したプロがいれば、的確なアドバイスと非公開求人の提案が可能です。

「いつかは…」と思っている今が、その“一歩”を踏み出すベストタイミングかもしれません。

▶ [薬剤師向け転職エージェント比較・おすすめランキング]

▶ [30代薬剤師が外資系企業に転職したリアルストーリーを見る]

ラクダ@薬酒計画

外資系企業で働く薬剤師

XInstagramContact

外資系医療機器メーカーで専門職として8年以上勤務する現役薬剤師、二児の父・ラクダです。 これまでに国内製薬企業で7年、ドラッグストアで2年の勤務経験があり、異なる業態・組織文化を経験してきました。現在は、世界的に急成長中の外資系企業でグローバルな環境に身を置きながら働いています。 3つの企業を経験する中で感じたのは、外資系ならではの「働きやすさ」と「戸惑い」の両面。 だからこそ、今の働き方にモヤモヤしている薬剤師の方や、企業へのキャリアチェンジを考える方へ、リアルな情報と体験談をわかりやすく発信しています。 「興味はあるけど、不安も大きい…」そんな方に寄り添える記事づくりを心がけています。